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轆轤に映す。

取材協力/yamyam studio

yamyam studio yamyam studio

富士宮市は猪之頭。陣馬の滝をさらに登った、自然に囲まれた静かな場所にyamyamstudio(ヤムヤムスタジオ)のアトリエはあります。
広々としたアトリエの中を覗くと、轆轤(ろくろ)の前に大きな窓があり、その先には緑の芝生が広がっていて、光と自然を感じられる気持ちの良い空間。陶芸を始めて10年になる山崎さんの作品の特徴は、薄い造りで優しい表情をした現代的な作品で、包み込まれる魅力を感じるのです。
今回、その美しい作品を作っているところにお邪魔させていただいたのですが、そこで感じたのは粘土が器の形になるまでの流れもまた、とても美しいということ。流れるように無駄の無い動きは見事と言う他ありません。
そんな山崎さんですが、実は美大で学んでいたのは陶芸ではなく意外にも油絵や版画といった「絵」だったのです。美大を卒業後に友人を通じて陶芸教室に通うようになり、そこから一気に陶芸にはまり、再び陶芸を専門的に学ぶ学校に通ったのだそうです。陶芸の作品は“日常に取り入れてもらいやすい”ことや、形のない土のかたまりから、器が出来上がっていく工程がとても楽しくてやりがいを感じているのだとか。陶芸を始めて、10年になってもまだまだ思った通りにならないことがあるそうなのですが、それがかえって良かったりするのも陶芸の魅力なのだそう。
自らの心を作品として映し出す陶芸の時間。意外と始めやすいということから、陶芸を趣味とする方も少なくありません。今まで自分の中に無かった感覚を広げられる良いきっかけになるかもしれませんよ。