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熟成の味

豚肉 BUTANIKU/ぶたにく

手間ひまを惜しまず、旨さを育む

豚肉写真

雄大にそびえる富士山の麓、自然溢れる朝霧高原でのびのびと、そしてじっくりと育てられたブランド豚があります。その名も「萬幻豚(まんげんとん)」。
富士宮で3代続く精肉店「さの萬」の佐野佳治さんと、同じく富士宮市内の契約養豚場と共同で開発した豚で、黒豚飼育の名人を鹿児島から呼び寄せ、特に飼料にこだわり、旨みのもととなるでんぷん質(麦やサツマイモ)を多く含む餌を自家配合して与えています。しかも飼育の期間は通常の養豚よりも一ヶ月以上長い約200日。出荷までにかかる手間は、通常の養豚と比べるとはるかに多いと言えるでしょう。なぜこれほどまでに時間をかけるのかと言えば、佐野さんの「毎日の食卓にのって美味しい、そして嬉しいものを」という強い想いのタマモノ。
効率をあげるために餌に油脂を添加し、短い時間で出荷する現在の生産方法では、牛も豚も美味しい肉が出荷できず、本当の良さを伝えられないと憂えた佐野さんは、試行錯誤を繰り返し萬幻豚のプロジェクトに取り組みました。
その努力の結晶ともいえる萬幻豚の味わいの第一の特徴は「脂身」。軽やかで甘い、かつさらりとした旨みが特徴で、噛むほどにジューシィな肉汁が口いっぱいに広がります。
県内外を問わず、全国の有名店のシェフにも萬幻豚のファンは多く、家庭の食卓だけではなくレストランなどでも萬幻豚を使った料理が振舞われていることは、富士山周辺に暮らす私たちにとって自慢できることですね。
食の安全が再度注目される昨今。さの萬では、トレーサビリティ(製品の流通経路を追跡できるよう情報公開すること)を全国に先がけて確立したそうです。取材を通して感じたのは、萬幻豚の醍醐味は、その味わいもさることながら、生産者の顔や想いが伝わることではないかと思わされます。
いろいろなものが簡単に手に入る便利な時代ではあるものの、そんな時代であるからこそ、確かなものを選択肢のひとつに入れて欲しいと思います。
食事の前に唱える「いただきます」の言葉には、食材の生命をいただくという意味が含まれています。これからはそのいのちを育む時間にも感謝することを今一度深く考えながら…萬幻豚、いただきます!

ソーセージ写真
進化する老舗。

創業大正三年。食卓で萬幻豚を楽しむなら一度は訪れたい「さの萬」。豚肉・牛肉など肉のことならなんでもござれ。
萬幻豚のさまざまな部位をはじめとし、きめ細やかで適度な霜降りのさの萬牛、富士山の豊かな森林の中で育つ富士の鶏など店頭に並ぶものは佐野社長の目利きで揃えられたもので、いずれも手間ひまを惜しまず安心で安全なお肉ばかり。普段使いにはじまり、ギフトにも喜ばれる確かな逸品が勢揃いしています。県外からのお客様も見えられるというのも納得です。他にも地域密着の精肉店らしくお惣菜も充実。
例えば萬幻豚のコロッケや、さの萬牛のメンチカツ。このシーズンには豚まんもふかされているので、どうせならコンビニの豚まんじゃなくて、本物の美味しさをほおばってみたいですよね。冬の食卓には嬉しい鍋セットなどもラインナップされており、さああとはたらふく食べるのみ。

さの萬百年の夢 萬幻豚

取材協力/株式会社さの萬

醤油 糀 豚肉 ワイン
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