大塚製薬がロケット打ち上げプロジェクトに参画!ポカリスエット、人類史上初の月面到達飲料に挑戦
ポカリスエット(略称:ポカリ)といえば、日本におけるイオンサプライ飲料の代表であり、もっともよく知られた健康飲料だ。そのポカリを販売する大塚製薬が宇宙に進出するというニュースが飛び込んできた。
2015 年10 月に打ち上げを予定していて民間企業では初となる月面探査機打ち上げプロジェクトに同社も参加し、ポカリが人類史上初となる月面到達飲料に挑むというのだ。
思い起こせば44年前の1969年7月16日、ニール・アームストロング船長が乗るアポロ11号が世界で初めて有人月面着陸に成功。月面に降りたつ前に発した「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍だ(That’s one small step for (a) man, one giant leap for mankind.)」という彼の言葉は、あまりにも有名だ。
今度は、飲料としての偉大な飛躍をポカリが目指すというわけである。
■ポカリスエットが月面への挑戦を決めた理由
ポカリスエットは、昭和55年(1980 年)に「体にすぐ吸収され、水分補給が可能な飲料」をコンセプトに開発された。労働や運動による発汗で失われた水分・電解質(イオン)をすばやく体に補給できるイオンサプライ飲料として、現在、世界17か国(※)で展開している。そのポカリスエットが今回、飲料史上初となる月面到達へ挑戦するプロジェクトに参画した理由とは、いったいどういったものなのだろうか。
2008年10月22日に打ち上げられたインド宇宙研究機関の無人の月周回衛星「チャンドラヤーン1号」が月面に大量の水(または水分)を発見した。近い将来誰もが月への宇宙飛行を身近なものとして夢みてもらいたいと大塚製薬は考え、さらにその夢を多くの人に提供したいとの想いから今回のプロジェクトへ参画を決めたのだという。
※1 日本、台湾、シンガポール、バーレーン、サウジアラビア、オマーン、アラブ首長国連邦、韓国、インドネシア、タイ、マレーシア、中国、クェート、カタール、フィリピン、エジプト、ベトナム
■果たしてどういったプロジェクトなのか? ポカリの役割とは?
さて、肝心のプロジェクトミッションは、どんなものなのだろうか? 気になる人もいると思うので、ここで紹介しておこう。
本プロジェクトは、ポカリスエットを月面に到達させることを目的としている。毎晩見慣れているとはいえ、月は地球から約38 万4400km の距離に位置する。地上から約400km に位置する国際宇宙ステーション(ISS)をはるかに超えた遠い場所なのだ。地球1周が約4万kmなので、約9.6倍の距離であり、約地球を10周すると考えるといい。
この挑戦にあたっては、米国の宇宙開発企業 アストロボティック・テクノロジーならびに、同社のパートナーである国際的宇宙事業会社アストロスケールとの協業を行うとしている。
今現在わかっているのはここまで、さらなる詳細は、2014 年5 月中旬に公開予定だ。果たして、ポカリスエットは人類史上初の月面到達飲料になれるのか? 次報を待て!
■アストロスケールについて
アストロスケールの企業ミッションは、宇宙の環境に危機的状況をもたらしているスペースデブリ(Space Debris)と呼ばれる宇宙ゴミの除去に関する技術開発をすること、そして世界中の人々に宇宙空間や宇宙探検に興味をもってもらうことだ。民間企業が宇宙ミッションに必要な技術を提供することや各種国際機関との連携をサポートすることを通じて、人々にとって宇宙をより身近な存在にすることを目指している。
■アストロボティック・テクノロジーについて
アストロボティック・テクノロジーは複数の顧客に向けたペイロードを共通インフラで提供することで、高効率の宇宙ミッションサービスを提供している。同社の最高経営責任者ジョン・ソートン氏は「今回のミッションにおいて、アストロスケールがペイロードの運搬のために当社を選んでいただいたことを大変うれしく思います。我々は業界最低水準のコストでサービスを提供しており、目的地への探査機器の輸送には最適なものです。今回アストロスケールのペイロードを輸送できることに対して、大変興奮を覚えています。」と語っている。同社はGoogleの展開する月面探査賞金レース「Google Lunar X PRIZE」にも参加している。