「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」富士山周辺に住む方は、こんな言葉を耳にします。
実際に、自分も富士のふもとの住民の一人として、富士山にかかる雲の様子を眺めては、あたかも占い師になったかのように、「午後から雨降るね」って予言の如く周りの人に話していたのを思い出しますね。
笠雲の言い伝えは、その的中率から天気予報士もびっくりでしょう。
笠雲が発生するメカニズム
水蒸気を多く含んだ強風が富士山に吹き付けると、山腹に装用にして上昇気流が発生します。
上昇気流にのった水蒸気は、凝結することで雲になります。山体にそって雲の輪郭がくっきりとするとまるで笠のようなカタチになります。一見静止しているようにも見える笠雲ですが、この富士山上層の笠の付近はとても風が強く、雲が出来ては消えていくような状態が絶え間なく続いているようです。
富士山は独立した山なので、キレイに笠ができたり、カタチも様々。 富士山が帽子を被っているようにも見えてその景色にも魅了されることでしょう。
2月23日は富士山の日
さて、2月23日といえば、静岡県民であれば殆どの人がご存知だと思いますが、「富士山の日」です。いまや静岡県民だけでなく日本のシンボルであり、世界文化遺産登録された霊峰富士。
富士山世界文化遺産登録をきっかけに、ますます富士山への想いが強くなった方も多いのではないでしょうか。
2月23日の富士山の日は、富士山環境保全活動や富士山への理解を深める行事と、後世に引き継ぐための県民運動の推進が各地で行われます。日本の最高峰でもある富士山は、古来より信仰の対象や芸術・文化の源として崇められてきました。標高3776メートルから望む、富士山周辺の豊かな自然は、清らかな水と生命力みなぎる息吹を垣間見ることができます。
比較的温暖な気候の静岡県東部エリア
東部・富士山麓
この地域は標高により気温が変わり、御殿場・白糸(標高約500m)で年平均気温が13℃位ですが、吉原(標高35m)では県内の平坦部と変わりません。 風向は、富士山・愛鷹山等の地形の影響により、東・西山麓では南と北風が卓越し、 南山麓では秋から冬にかけては、西の風が現われやすく、夏は海陸風により南風が多くなっています。風速は、御殿場地方では一般に弱く、富士宮南部から岳南地方では風が強く、冬の季節風は強風となります。降水量は、標高が高い所で多く、 御殿場では年間2800mm位です。
富士山の北側は、降雪も多く、河口湖湖畔の旅館周辺では、観測史上初100センチ以上も積もった大雪のせいで、陸の孤島となり道路や路線の復旧の目処もまだ経っていない。2/16現在
天候の急激な変化もそうですが、地球的規模での気候変動にも注意して備えていきたい。
文/渡邉 達也