競合を見るのではなく、ユーザーを見ること。

かつて、広告の主たる媒体といえば「テレビ・ラジオ・雑誌・新聞」と、誰しも口をそろえて言う時代。

1999年、私は情報関係の大学に入学し、当時の主流となっているこの4媒体の在り方や、ルーツなどを学びました。情報の取り扱い方とメディアはあれから15年近く経ち、当時想定していなかったほどIT分野の進化はまだまだ加速しています。
当時は、まだウェブサービスについては多く語られることはありませんでしたが、インターネットの普及により情報の量や質、取り扱い方は大きく変わるだろうと推測されていました。

2014年春。広告的な観点からマス媒体は、大衆向けに情報を発信する上で重要な媒体でしたが、ユーザーはその情報に接触してどのように反応するかを考えた時に、果たして費用対効果はどの程度なのか、疑問視する声も上がってくることもしばしば。
かつての媒体力は失われてしまったのか?マスの役割は終わったのか?という企業担当者の声も聞きます。

メディアそのものが大きく変わった。

決してマス媒体の役割はなくなったわけではありません。ただ、ウェブの普及によりメディアの在り方が大きく変わりました。

ウェブメディアとマスメディアの大きな違いといえば、一方的であるか双方向かということが挙げられます。企業のサービスや在り方に不満を持つユーザーがひとりでもいれば、ウェブ上にネガティブなレビューが載り、瞬く間にネット上に拡散されてしまう。マスメディアとユーザのスタンスは、いつのまにかひっくり返ってしまったのです。

企業は、もはやメッセージを自身でコントロールできなくなっている。

ネット上にある情報は、決して「ジャーナリズムでもなければ文学でもない」というのは少し大げさですが、その情報をどのように感じるかは人それぞれ捉え方が違うという現実。

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時代が変わったのは当然。もはや文明が変わった今。

電通が発表した2008年の日本の広告費は、日本の広告国費に占めるマスコミ4媒体のパーセンテージは49.3%に落ち込んだ。いままで50%下回ったことが無かったマスメディアは広告の信頼性を問われる事態となっています。

広告を取り扱う業種である私たちも例外ではありません。地方は特にその余波が強く、マスでの広告効果はローカルサービスであればあるほど、思うように望めないのかもしれません。当然のことながらマス媒体への予算出稿は減っていく一方で、それでも埋まることない枠は、日に日にダンピングされ価格破壊が起きてしまっている。悲しいことにデフレ現象はこんなところにも存在しています。

広告費用がかからないソーシャルメディアをうまく活用している企業が増える一方で、その波に便乗できない企業も多くいますコンプライアンスティナ問題。一社員のメディア化は、大手であればあるほどリスクも伴います。

マス媒体での謳い方を考察した時、時に、企業は取り扱いのサービスがいまなら安いとかそんな打ち出しをメディアで露出していたが、ソーシャルはそういったコンテンツはある意味、素通りされる。企業がユーザーに向けて情報を発信する時、どういったコミュニケーション・チャネルが有効なのかを、判断しなければなりません。

ユーザーの声を聴くということ。

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アメリカ本国で行われたペプシフレーバーキャンペーンと聞くと、マーケター的なポジションの方はピンとくるかもしれません。
ペプシは、「ブランドから何かを発信するやり方よりも、文化の中に溶け込んだ存在になりたい」という考えのもと、ネットワークで繋がった新世代のユーザーに向けてリスニングキャンペーンを実行しました。

当時のペプシは、企業側が耳を傾け、ユーザーの考えを発信する機会をこちら側が提供すれば、「ユーザーが自然とあーでもない、こーでもない、自分ならこうしたい」とペプシ側にアイディアを発案してくれる。ユーザーのアイディアから新しい商品を開発することができるのです。」と応えています。

ペプシはフレーバーのサンプルを6万本配布して10万人のユーザーに直接触れ、延べ1150万回以上のインプレッション(※1
)を生み出しました。

インプレッション

Webサイトに掲載される広告の効果を計る指標の一つで、広告の露出(掲載)回数のこと。サイトに訪問者が訪れ、広告が1回表示されることを1インプレッションという。

結果「ユーザーに製品のイノベーションを主導するパワーを与えたらどうなるか」という「素朴なギモン」を発信したキャンペーンといえます。このキャンペーンはペプシの歴史上もっとも成功した新商品販売キャンペーンの一つとなったことは言うまでもありません。

こういったユーザーの声から商品開発をするクラウドソーシング的な考え方は、昔から有りましたがウェブを活用することでより多くの声を聞くことが可能になるため、精度の高い指標を得ることが出来ます。

競合を見るのではなく、ユーザーを見ること。

改めて重要なことだと感じました。

文/渡邉達也

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