人付き合いの中で、こういう言葉を相手に言った時に相手はどう思うのか?
相手にどう言ったのかよりも、相手にどう伝わったのかを考えなければなりません。
シーンは様々ありますが、「相手の反応を想定してアウトプットする」これは普段の生活の中であっても数多くあります。
時に高度なコミュニケーションが要求されるのも事実。
ビジネスの中で、こういう仕組みを作ってプロジェクトを進めたとき、どういったシナリオをイメージできるか、またどのうなリスクがあるのか、どのタイミングでどのくらい利益を出せるのか?
そういったシュミレーションは想像力と経験、度重なるマーケティングテスト、あわよくば第6感などから、サクセスイメージが生成されていきます。
一般的に企業のマーケティング戦略では、ターゲットとなるユーザーを明確にすることが重要とされています。
ただし、そのターゲットも同企業の部門ごとでターゲットはどこなのか?と、考察した時に、関係者が増えれば増えるほど、思い描くターゲットが曖昧になってしまい社内の共通認識が形成されないことがあります。
複数の関係者が思い描くユーザーニーズを全て取り入れたら、結果的にどのユーザーのニーズも満たせない商品やサービスになってしまったということも少なくありません。
ターゲット像がボヤけ、そのままプロジェクトを進めるほど恐ろしいことはありません。
このようにターゲット像が曖昧の状態では、広告・PR等でアウトプットする印象がチグハグになってしまい、結果として一番伝えたいメッセージが伝わらないということにもなりかねないからです。
そこで、
重要なのがペルソナの設定となります。
よりリアリティのある人物像に設定した「ペルソナ」という代表的な顧客像を社内で共有し、その人物像への理解を深めることでマーケティング方針を統一するの手法を「ペルソナ」戦略と呼びます。
属性ターゲットから、より具体的なペルソナへ。
従来のユーザー・プロファイリングが、性別・年齢・職業・居住地などの属性からグループとしての特性を明らかにしようとするのに対し、ペルソナは定量的な消費者の属性データだけでなく、趣味趣向や価値観、ニーズ、振る舞い、適性、目的、モチベーション、そして行動特性などの定性データも組み合わせることで具体的かつ詳細に設定した一人の顧客像に注目することができます。
ペルソナのメリットのひとつとして、1つの製品やツールに多くの機能を盛り込みすぎて、結果としてすべてのユーザーが満足しないものになってしまうことを防ぐことにあります。
さらに、 ペルソナ設定の有効性は「誰が買うのか?」から「その人はなぜ買うのか?」についての論点に注力される特徴があります。
「ペルソナ」を作成し分析することにより、担当者間の共通認識が形成され、ターゲット「顧客」の軸が定まることで、自社のゴールが明確となり具体的な戦術が見えてくることでしょう。
「ペルソナ」導入により得られる3つのメリット
1. リアリティのある顧客像(1人)を分析に徹底分析することで、ユーザーの実態に対する理解が深められる
2.「関係者の間での意識・認識のギャップ」を防ぎ、企業目線ではなく精度の高いユーザー視点を持つことができる
3.、同じ顧客像をイメージしながら議論できることで意思決定に時間がかかったり、伝えるべき内容がブレることなく顧客像を意識しやすくなるため、議論の質が高められる
ペルソナの生成は、どこからはじめるの?
顧客像をより具現化するための一般的なペルソナ作成手順としては、まず属性データからユーザーをセグメントし、重要なセグメントの代表的なユーザーにパーソナル・インタビューを行います。そこから得られた心理特性データから価値観、趣味、ライフスタイルなどを細かく設定し、ユーザーに期待する行動(ユーザーシナリオ)を作成します。このユーザーシナリオによって、「目的は何か」「どのようにしてそこに到達させるのか」が明確になり、マーケティングプランのあらゆる領域においてユーザー視点での検討が可能になります。
ただし、「ペルソナ」の生成には定性的な部分が多く、パーソナル・インタビューも数が限られるため、担当者の思い込みや個人的な意図が反映されてしまうことがあるため注意が必要です。
そこで、有効なのはより現実感や人間味のあるペルソナの設計のために、一般生活者の考え方や意見が反映されやすいネット上のBlogやSNSの会話を収集分析したデータから仮説を立てることがポイントだと考えられます。
ソーシャルメディアでのコミュニケーションを最適化する際などにペルソナを軸にして考えれば、「メッセージ」にブレがなくなるため、FacebookやTwitterのような頻度の高いコミュニケーションを観察することで自社のマーケティングコミュニケーションとのメッセージ統一のためにペルソナを活用することが有効です。
ユーザーのライフスタイルは今まで以上に多様化しており、従来の“広く浅い”ユーザー像を捉えるマーケティング手法では、本当のニーズが読み取れなくなっています。様々なマーケティングデータを多面的に収集し、統合分析から得た顧客集団の声を集約して代表的なモデルを人格化したペルソナの活用は今後注目しておきたいマーケティング戦略になります。
ペルソナは、一見「たった一人」を目指すようでありながら、その背後に隠れた多くの人が存在します。ソーシャルメディアがマーケティング・チャネルでの重要性を増し、ユーザとの密接な関係による参加型コミュニティーが進化していく中で、効率的なマーケティングの手法として改めて見直す必要があるのではないでしょうか?