広告担当者、企画開発部門のみなさまにおかれましては、うちの会社の商品やサービスがどのくらい認知されて、販売できているか、毎日数字との”にらめっこ”に没頭しているかもしれません。 マーケティングにおける消費行動プロセスの理解は、経営者や企画販促担当者であれば当たり前のことであり、マーケティング戦略の立案を行う上で重要な要素です。
消費行動プロセスは、ユーザーがその製品やサービスを知り、選び、購入し使用するながれのことを一般的に指しています。
アメリカの経営学者フィリップ・コトラー氏が唱える顧客のセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの核でもあるSTP理論。そして、マーケティングの目的である「自社が誰に対してどのような価値を提供するのかを明確にするための要素」、を説いており、マッカーシーの“4P”の概念
にPeople(人)・processes(プロセス)・physical evidence(物的証拠)を加えた7P理論などが有名です。
当社は、総合広告代理店として、マスマーケティングを主にサービスとして取り扱っていましたが、ソーシャルメディアの普及によりソーシャルマーケティングをどのように広告に取り入れるかを日々模索している段階です。
※ソーシャルメディアとは
個人と個人、個人と組織、組織と組織の間の情報発信が、ウェブサービスを経由することによってそれ自体が意味を持つコミュニティとなり、実社会に広く拡散され、影響力を持ち始めたメディア。twitterやfacebookなどのプラットフォームによって、個人間の情報発信が可視化されやすくなったことにより、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのネットワーク的な概念を超えて、新たなメディアとして浸透しつつある。
「時代が変わった」ではなくもう「今は、文明が変わった」ということです。
今は過渡期だとだれもが口を揃えていいますが、これだけ時代が早く進化してそのサイクルは年々加速化しいく時代です。もはや過渡期とよばれる時は、これから先もずっと続いていくことでしょう。
「時代が変わった」なんてボヤく企画担当者や営業責任者もいるかもしれません。「時代にのせい」にするのではなく、いまは自社のサービスや製品をもう一度見直すタイミングでありユーザーからその改善のヒントを得られるチャンスなのかもしれません。
常識や知識はいつも更新を。
では、どのようにその時代に、対応していくのか?ソーシャルマーケティングがマーケティングにとって重要なファクターとなり、競合他社が、どうだとか、あーだだとかという議論はもうすでに時代遅れなのかもしれません。
競合他社見るな、ユーザーを見よ。
というのが持論としてあって、当たり前のようだけど、ユーザーの目が肥えて、比較検討できるステージがモバイルデバイスの普及で長くその時間を占めることになりました。
「いいものをつくれば、売れる」という発想はもうやめよう。
消費行動のプロセスであるAIDMA<Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購買)>もう過去のもので、いまはAISASというプロセスを踏んで商品購入やサービス利用に至っています。
※AIDMA(アイドマ)とは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。
へすでに移行した今。かつては、「マスマーケティング」は、マーケット認知において非常に意味をもちました。
AISAS理論のポイントは?
AISASにおける「Search」は、製品やサービスに関心をもった消費者が、「購入前にGoogleなどの検索サービスを利用して情報を調べる」プロセスを示しています。また、最後の「Share」は、ブログやSNS(ソーシャルネットワークサービス)、クチコミサイトなどで、製品やサービスの感想などの情報を投稿(情報共有)するプロセスを示しています。※AISAS電通が提唱し、2004年に商標登録しています。
企業成長の処方箋というのは、自社が狙うマーケットとは別に、情報がどのように伝播していくかを理解した上でシェアしやすい情報提供をしてあげることが大切です。
バズコミュニケーションを発生させよ。
シェアしやすい情報とはなにか?
まず共感できるというコンテンツというのが大前提ってことで、
(1) ユーザーの認識を裏付ける情報
(2) ユーザーの認識を覆す情報
(3) ユーザーがまだ知らない新しい情報
(4) ユーザーが理解しやすいように整理されている情報
このあたりのポイントを理解して、シェアを意識してみるといいかもしれません。
文/渡邉 達也