こんにちはアスカ工務店遠藤です。
昨日書いた家の屋根、外壁の素材(建材)による生涯メンテナンス費用のまとめをしたいと思います。
素材(建材)の違いによるメンテナンス費用の違いのまとめ
1.屋根 セメント瓦(板) 壁 窯業系サイディング
30年後のメンテナンス費用は 765万円
50年後のメンテナンス費用は 1150万円
以前のブログでも書きましたが、セメント系の瓦やスレートは表面に塗られている塗装材でもっています。
塗装材は、太陽からの紫外線や日頃の雨風によって劣化しやすいので、セメント系屋根は10年サイクルでの
表面塗装のメンテナンスが必要になります。
それを怠ると瓦、スレートとも内部に水が浸入しやすくなってしまうため劣化がより進んでしまいます。
これをほっておくと補修がきかなくなり全面交換という事になります。
ただ、まめに塗装したとしても素材の耐久性を考えると30年後にはやはり交換が必要です。
劣化したセメント瓦 表面の塗装が剥がれている 当社リフォーム案件
窯業系サイディングは一般的に使われていますが、サイディング板とサイディング板との繋ぎ目は
コーキングという外部への露出型の防水材で埋めるためこの部分の交換費用が外壁材塗装とともに
必要になります。
露出型のコーキング(防水材) ネットより
窯業系サイディング劣化 ネットより
2.屋根 ガルバリウム鋼板 壁 窯業系サイディング
30年後のメンテナンス費用は 675万円
50年後のメンテナンス費用は 1040万円
ガルバリウム鋼板屋根はかなり対候性優れている素材(建材)です。
ただ、やはり10年に一度の塗替えはやっておけばその後の劣化リスクは少ないと思います。
劣化したガルバリウム鋼板屋根 ネットより
窯業系サイディングは同上。
3.屋根 ガルバリウム鋼板 壁 無垢板張り
30年後のメンテナンス費用は 975万円
50年後のメンテナンス費用は 1220万円
ガルバリウム鋼板屋根は同上。
外壁の無垢の板張りはもし採用となったらかなり劣化リスクがあります。
当社のオーナー様でも過去に無垢板張りのご希望の方がいらっしゃいましたが、そのデメリットをお話しし
採用を考え直してもらいました。
やはり無垢の木は当然よく乾燥された木を使うのですがいくら表面塗装がしてあっても水分は浸透しやすいです。
内部に水が浸透すると表面にカビなどよるシミもできやすく築年数の割に家が古く見えてしまい劣化リスクを
考えたら5年おきに外壁を全面塗装する必要があると思います。
水が浸透してカビによるシミができた壁 ネットより
4.屋根 粘土瓦 壁 外張断熱 ダブル断熱 ナチュラルアスカの家
30年後のメンテナンス費用は 365万円
50年後のメンテナンス費用は 640万円
当社が採用している素材(建材)です。
粘土瓦には表面を釉薬(うわぐすり、またはゆうやく:表面に光沢を出し、液体のしみ込むのを防ぐガラス質の材料)
が塗られているものと無釉薬瓦といって何も塗布しない粘土瓦がありますが粘土瓦は高温で焼き上げるため
防水性と耐久性が高く割れたりしない限り基本的にメンテナンスフリーです。
当社施工例
もし粘土瓦でメンテナンスが必要性になるとしたら築20年か30年後に屋根の棟部分の漆喰がはがれ場合は
詰め込む必要が出てきます。
屋根の棟部分漆喰詰め ネットより
外壁材のダブル断熱工法の塗り壁はEPS材外張断熱材に追従性のあるメッシュを貼りながらアクリル系の
モルタルを塗っていくので地震などが起きてもひび割れがしにくいです。
外張り断熱材の家からアクリルモルタルを塗る
窯業系サイディングのようなコーキングという防水材も下地の段階で施工し、アクリル系モルタルの下に
入るので外部に露出しないため紫外線や雨による劣化はなく交換の必要性もないです。
ただ、やはり外壁部分は紫外線や雨にはさらされるので窯業系のサイディングのように10年毎の
塗替えは必要です。
ただ先程書いたように防水材のコーキングは外部に露出していないのでこの交換は必要ないです。
モルタルを塗る前に防水材を打つその後外壁材を塗る 当社事例
以上家に使われる素材によるメンテナンス費の違いです。
このように書いてしまうと当社の家がメンテナンスが掛からなくていいですよと宣伝に終わってしまいますが
大事なのは、家は住む方の理想の形だと思っていますので、こだわりでどんな素材で家を建ててもいいと
思います。
ただ大事なのは使う素材によって将来かかるメンテナンス費用が違ってくるということを
それが例え家を建てる業者からのお薦めとしても確認する必要があります。
やはり「家は建てる時も大事ですが、ほんとに大事なのは建ててからだな。」ということを感じてもらいたいです。
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