冬になれば夏の陽射しが恋しくなり、夏がくれば冬のヒンヤリした空気が恋しくなる。人間はわがままないきものです。あれば当たり前の用になり無ければそれが欲しくなる。
あぁそうですね。初心を忘れてはいけません。
さて、冬の寒さもだんだん解けてきて衣替えもそろそろというとき、なぜだか「北風と太陽」の話を思い出します。
きたかぜとたいよう (イソップえほん5) 単行本 – 2011/3/4
北風と太陽はイソップ童話のひとつです。
このお話には太陽と北風、そして旅人が登場します。
物語の内容は、北風と太陽どちらが先に旅人の上着を脱がすことができるかの勝負を題材にしています。
北風が旅人の上着を脱がそうと強く吹き付けても、上着が脱げてしまわないように旅人は襟元を押さえてしまい結局北風は服を脱がすことが出来ませんでした。一方で太陽は、旅人をぽかぽかと照らし続けて、暑さにあまり旅人みずから上着を脱ぎました。
目的を達成する方法は、ひとつではない。
このお話の教訓は、物事を強引に乱暴にやらせようとしても反発するだけで結果を成さないということ、そして相手の気持ちを考えて行動しなければ思うような結果は見込めないということです。昔イギリスでは、ムチを持った先生が教壇に立って授業を行っていたようですが、日本でもかつての教育現場において体罰が日常的にあった事実があります。これは言うまでもなく、現在の教育法にはマッチしません。なお、社会人になって職場での教育・育成現場で中長期的に行われる上司からのコーチングという面から垣間見ても同じことがいえるのかもしれません。業種や環境にもよるとは思いますが、強引にやらせるようなやり方では、自身の能力を引き出すことが出来ないどころか反発することで意識醸成がうまくいかないとう声もよく聞きます。(時と場合によりますね)
時に太陽のように、じっくりと時間を掛けて自発的な行動を促すようなやり方をすることが教育現場において重要な要素になってきます。
話は一度戻りますが、この北風と太陽の話。実はもともと旅人の帽子を脱がすことが勝負の始まりだったようです。
この旅人の帽子を脱がす勝負は北風が勝ちました。太陽は日を照りつけたことで旅人は帽子を深くかぶってしまい、北風は強く風を吹きつけたことで旅人の帽子を吹き飛ばすことに成功しました。
この北風と太陽の2つのお話、勝者はそれぞれ違いますが、組織行動学の視点から見た時に、教育の方法はさまざまあります。
これはビジネス展開における課題解決の場であっても、やり方は決してひとつでは無いということです。
どんな課題であれそれぞれに適切な手段が必要になってくるということが言えるでしょう。このやり方でうまくいったからといって、それが他でも通じるわけではありません。どのような状況なのかを冷静に見極めて選択肢から手段を選ぶべきであると考えます。