家の耐震性能を再考する4(構造計算の重要性 最終)

こんにちはアスカ工務店遠藤です。

今日は「家の耐震性能を再考する」の4回めを書こうと思います。

家の耐震性能を再考する1

家の耐震性能を再考する2

家の耐震性能を再考する3

今回で「構造計算の重要性」については最後です。
家の耐震性については又違う視点で書きますので楽しみにしてください。

先日来より家の耐震性能について書いてきました。前文でも書きましたが、家の耐震性能は
国の最低基準の建築基準法をまずは基本にしています。

ただ現状の建築基準法は先に書いたようにあくまでも最低基準です。
これを守ることは確かに大事なことですが、その基準を守って建てられた新耐震基準の家は
2016年の4月に発生した熊本地震で倒壊している例もありました。

大地震の倒壊の原因はいろいろあると思います。
家だけの問題だけでなく地盤や土地造成が原因ということもあるでしょう。ただ大地震の基本は備えです。
一生に一度建てられるかどうかのマイホームですから今わかっている知識だけでも駆使して
大災害に備えたいものです。

長野神城断層地震

前回は建築基準法の話、品確法の住宅性能表示の話などを書いてきました。

建築基準法にせよ、品確法による住宅性能表示にせよ、家の耐震性能を決める耐震計算方法は一般的には
住宅の場合は建築士が設計していれば建築確認申請で構造計算の審査が免除されるという「4号特例」が
あるという話をしました。

ただ私はこの「4号特例」の構造計算が免除されるということには疑問を持っています。

今のように建築ソフトが充実している時に「許容応力度計算」などの構造計算をしないで
「仕様規定」による「壁量計算」によって家の耐震強度を決めてしまうことはどうかな?と思います。

ではそもそもこの「仕様規定」に則った「壁量計算」の考え方とはどんなものでしょうか?

簡単に言ってしまうと、地震時に発生する水平力(地震力) 及び 台風時に発生する水平力(風圧力)に
建物が耐えられるように、建物の床面積(地震力) 及び 外壁の見付面積の大きさ(風圧力)に応じて耐力壁を
決めるという方法で地震力と風圧力の、それぞれに必要な壁量の多い方(安全側)の壁量を算出します。

(ここで一つ解説をしますが、壁量計算では地震力を風圧力と同じ水平力として位置付けてますが
地震力は台風などの風圧力とは違い地面が上下左右などに揺すられるので慣性力も加わり
単純な押す力ではなくエネルギー。このエネルギーを単純に水平力として計算することには無理がある。)

もう少し詳しくいうと地震の場合の「壁量計算」とは建物の階数・建物の重さによって定められている
地震力による壁係数(cm/㎡)を各階の床面積に乗じて得た長さだけ、建物のX方向・Y方向のそれぞれの方向に
壁を作りなさいということです。    (なんのこちゃ? という感じですが)
簡単にいうと壁係数とは耐震力を保つために必要壁量を出すために国土交通省が決めた係数です。

写真壁係数

以前「日経ホームビルダー」という建築雑誌に同じ建物を「仕様規定」による「壁量計算」と「構造計算」との
異なる計算方法で検証した場合「壁量計算」で出された耐力は「構造計算」で出された必要な耐力の3/4しかないという
結果を出していました。

同じ建物であれば基本的には同じ結果が出そうでしたが、「仕様規定」による「壁量計算」は「構造計算」より
必要構造耐力の数字が危険側に出たことになります。

地震力とは、震源から振動が伝わって、地盤が振動して、振動エネルギーが建物に伝わって建物が揺れる(応答)ことです。
これを正確に計算するには、地震波により建物がどのように揺れるか細かく計算する必要があります。

今はパソコンや建築計算ソフトなどが発達していますが、少し前まではまだそんなに技術が発達していなかったので、
計算を簡単にするために地震を振動じゃなくて、静的力学で計算するようにし、建物の自重に対して1割とか2割とかの
重さが水平力として静的に働いたとものとして計算したそうです。

ただ今は高度な計算ソフトがあります。
たとえ「4号建築」の特例があってもこれらを駆使して家一軒一軒について「許容応力度計算」などの構造計算をして
大地震対して正確に耐震性能を出し備えることは大事なことだと思います。

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